「出会いがない」。婚活のご相談で、いちばん最初に出てくる言葉かもしれません。職場は同じ顔ぶれ、友人はもう結婚していて紹介も減った、休日は家で過ごしている。そうなると、出会いは本当に「ない」ように感じられます。ですが、国の調査で出会いのきっかけを追っていくと、出会いは減ったのではなく、場所が変わったことがわかります。恋人がいる未婚女性の17.9%はネットで知り合っており、職場や友人経由は減っています。この記事では、いま出会いがどこで起きているのかをデータで確認したうえで、私が著書の中でも繰り返し書いてきた「日常を出会いの場に変える」考え方をお伝えします。
出会いは「ない」のではなく、場所が変わっただけです
結論からお伝えすると、出会いの総量が減ったという事実は、データからは読み取れません。減ったのは職場や友人を通じた、待っていれば起きる出会いです。その分、自分から動くことで生まれる出会いが増えています。
「出会いがない」と感じるのは、以前と同じ場所で以前と同じように待っているからかもしれません。まず、出会いの場がどう動いたのかを見ていきましょう。
データで見る、出会いのきっかけの変化
国立社会保障・人口問題研究所が2021年に実施した「第16回出生動向基本調査」では、恋人や婚約者がいる未婚者に、その相手と知り合ったきっかけをたずねています。

友人経由・職場経由は、それぞれ5ポイントほど減った
最も多いきっかけは、男女とも「学校で」(男性30.1%、女性26.8%)でした。一方で、「友人や兄弟姉妹を通じて」と「職場や仕事の関係で」は、前回調査からそれぞれ5ポイントほど減少しています。
これが、「出会いがない」という実感の正体です。かつて出会いの中心だった紹介と職場が、はっきりと細くなりました。
ネットで知り合った女性は17.9%
今回の調査で初めて選択肢に加わった「ネット(インターネット)で」——SNSやマッチングアプリを想定した項目——は、男性11.9%、女性17.9%にのぼりました。恋人がいる未婚女性の6人に1人は、ネットで知り合っています。
結婚した夫婦でも、同じ動きが起きている
同じ調査の夫婦調査でも、動きは同じです。2018年7月〜2021年6月に結婚した夫婦のうち、ネットで知り合った割合は13.6%。その前の3年間(6.0%)から倍以上に増えました。一方で、かつて3割を占めていた「職場や仕事で」の結婚は28.2%から21.4%へ下がっています。
さらに興味深いのは、ネットで知り合った夫婦の平均交際期間が2.8年と、従来型の恋愛結婚(4.9年)より2年ほど短いことです。出会いの入口が変わると、結婚までの時間も変わります。
出会いは消えたのではなく、「待つ場所」から「自分から動く場所」へ移っただけなのです。
私が著書でずっと書いてきた、「日常を出会いの場にする」という考え方
私は翻訳版を含めて5冊の本を書いてきましたが、その中の1冊はマッチングアプリをテーマにしたものです。ただ、そこで一貫して伝えているのは、出会いの場はスマホの中だけではないということでした。
家を一歩出たら、そこはもう出会いの場
いい出会いがないと感じている方に、私はいつもこう提案しています。日常そのものを「出会いの場」として捉えてみてください、と。もちろんアプリを始めることもおすすめしますが、家を一歩出たら、通勤電車も、カフェも、ランチの店も、すべてが出会いの場です。
これは精神論ではありません。実際、私がお会いしてきた方の中には、駅のホーム、カフェ、図書館で今のお相手と出会った方がいます。合コンやパーティーだけが出会いの場だと思い込んでいると、こうした機会はすべて素通りしてしまいます。
「出会いの場」と捉えると、センサーが働き始める
日常を出会いの場として捉えると、何が変わるのか。ひとつは、素敵な人を見つけるセンサーが働くようになることです。脳は自分がフォーカスしているものを無意識に拾うようにできています。常に「出会いの場」だと意識していると、「この人いいかも」という人が自然と目に入るようになります。
もうひとつは、「いつ理想の人に出会ってもいい自分」でいようとすることです。通勤中、外食中、カフェにいるとき——もし今、理想の人が目の前に現れたら「来た!」と思えるでしょうか。それとも「今はまだ来ないで、化粧が、服装が」と思うでしょうか。後者の状態では、出会いたいと願いながら、心のどこかで「準備ができていないからまだ来ないで」と拒否しています。

「いい人がいない」と「出会いがない」は、別の問題です
ここで、混同されやすい2つを分けておきます。「出会いがない」と「いい人がいない」は、まったく別の悩みです。
出会いがないのは、場所の問題。日常の捉え方と、動く場所を変えれば解決に向かいます。一方、「いい人がいない」と感じるのは、出会っているのに見えていない状態で、こちらは相手を見る目の問題です。
私が見てきた限り、「出会いがない」と言う方の多くは、実際にはすでに何人かと出会っています。ただ、1回会って「この人はなし」と決めてしまい、出会いとして数えていないのです。
最初にピンとこなくても、2回は会ってみる
結婚している女性の友人に聞くと、「出会ったときは付き合うとも結婚するとも思っていなかった」「むしろタイプじゃなかった」と言う人が驚くほど多いものです。最初から「この人と結婚する」と思った人のほうが、むしろ少数派です。
出会いの場が多くないと感じているなら、1回で「なし」と決めるのは早すぎます。ピンとこなくても、2回くらいは会ってみる。平日のランチでも構いません。人は知れば知るほど味が出てくることが、本当によくあります。
今日からできる、出会いを増やす3つの習慣

1. 日常を「出会いの場」として捉える
アプリは始めつつ、スマホの外にも目を向ける。家を出た瞬間から出会いの場だと意識するだけで、センサーが働き、自分を整えるようになります。
2. 「いいかも」と思った人の、どこが良かったかをメモする
恋愛まで進まなくて構いません。声をかける勇気が出なくても、「どこが、なぜ良かったのか」をノートに残すことはできます。これを続けると、自分の理想がどんどん具体的になり、納得感を持って相手を選べるようになります。
3. ピンとこなくても、2回は会う
1回で判断せず、2回目を設定する。結婚相談所であれば仲人が間に入るため、2回目のお誘いも進めやすい環境です。可能性は、自分で広げていくものです。
よくある質問
Q1. 本当に出会いは減っているのですか?
総量が減ったとは言えません。第16回出生動向基本調査では、友人経由・職場経由の出会いは前回からそれぞれ5ポイントほど減った一方、ネットで知り合った女性は17.9%にのぼりました。新婚夫婦でもネットで知り合った割合は6.0%から13.6%へ倍増しています。減ったのは「待っていれば起きる出会い」で、自分から動く出会いは増えています。
Q2. マッチングアプリを始めるべきですか?
始めることはおすすめします。ただし、スマホの中だけを出会いの場にしないでください。通勤電車やカフェなど、日常そのものを出会いの場として捉えることで、機会は何倍にも広がります。実際に駅のホームやカフェで今のお相手と出会った方もいます。
Q3. 声をかける勇気が出ません。
声をかけなくて構いません。「いいかも」と思った人の、どこが、なぜ良かったのかをメモしておくだけで、自分の理想が具体的になっていきます。声をかけることより、この記録のほうが婚活には効きます。
Q4. ネットで知り合うと、交際が短くなるのはなぜですか?
同調査では、ネットで知り合った夫婦の平均交際期間は2.8年で、従来型の恋愛結婚の4.9年より短くなっています。最初から結婚を意識した人同士が出会いやすいため、関係の進み方が早いと考えられます。
Q5. 一度会って「なし」と思った人と、また会う意味はありますか?
あります。結婚している人の多くは「出会ったときはタイプではなかった」と言います。出会いの場が多くないと感じているなら、1回で判断せず、平日のランチでもいいので2回目を設定してみてください。
まとめ:出会いは、待つものから見つけるものへ
出会いは減ったのではなく、場所が変わりました。職場や友人を通じた出会いは細くなり、ネットで知り合う人が女性で17.9%、新婚夫婦で13.6%まで増えています。
「出会いがない」と感じるなら、待つ場所を変えるのではなく、日常そのものを出会いの場として捉え直してみてください。センサーが働き、自分を整えるようになり、出会いの機会は自然と増えていきます。
そして、出会った人を1回で「なし」にしないこと。可能性は、自分で広げていくものです。
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