「恋愛経験が少ないまま婚活を始めても、うまくいくのだろうか」。これは、婚活を考え始めた方から本当によくいただくご相談です。付き合った人数が少ない、あるいは一度もお付き合いをしたことがない。そのことを引け目に感じて、「もう少し経験を積んでから」と一歩を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。ですが、国の調査を見ると、その前提は大きく揺らぎます。18〜34歳の未婚女性のうち、恋人として交際した経験がある人は64.8%。恋人がいる人にいたっては27.8%しかいません。この記事では、公的データで実際の状況を確認したうえで、恋愛経験の少なさが婚活でどう働くのかを、現場で見てきたことも交えてお伝えします。
恋愛経験が少ないことは、婚活のスタートラインを下げません
結論からお伝えすると、恋愛経験の少なさが婚活の結果を左右することは、ほとんどありません。むしろ「経験が少ない自分は選ばれないのではないか」という思い込みのほうが、活動のブレーキになっています。
ご相談に来られる方の多くが、「みんなは当たり前に恋愛をしてきたのに、自分だけが遅れている」と感じていらっしゃいます。けれど、その「みんな」がどれくらいの人を指しているのかを、正確にご存じの方はほとんどいません。まずはそこから確認していきましょう。
データで見る、未婚女性の交際経験
国立社会保障・人口問題研究所が2021年に実施した「第16回出生動向基本調査」は、18〜34歳の未婚者を対象にした国の調査です。ここに、私たちが普段目にすることのない事実が並んでいます。

交際経験がある人は、3人に2人ほど
恋人として異性と交際した経験がある未婚女性の割合は、18〜34歳全体で64.8%でした。最も高い25〜29歳でも71.2%、18〜19歳では51.2%です。
つまり、この年齢層の未婚女性のうち、およそ3人に1人は「恋人として交際した経験がない」ことになります(不詳を含む計算です)。「自分だけが」と感じていたことは、実際には決して珍しい状況ではありません。
「今、恋人がいる」人は3割にも届かない
さらに、調査時点で「恋人として交際している異性がいる」「婚約者がいる」と答えた未婚女性は27.8%でした。この割合は2000年代前半をピークに下がり続けています。
交際相手(異性の友人・恋人・婚約者のいずれか)を持たない未婚者は男女とも7割前後にのぼり、そのうち交際を望んでいる女性はどの年齢層でも2割台。18〜34歳の未婚男女の3人に1人は「とくに異性との交際を望んでいない」と回答しています。
ここで申し上げたいのは、「みんな恋愛していないから安心してください」ということではありません。あなたが引け目に感じてきた前提そのものが、事実と違っていたということです。
「経験を積んでから婚活しよう」が、いちばん遠回りになります
恋愛経験の少なさを気にされている方が、よく口にされる言葉があります。「まず何人かとお付き合いして、慣れてから婚活します」。この順番が、実はいちばん時間のかかる道になりやすいのです。
理由は2つあります。
ひとつは、「慣れるための恋愛」では、結婚につながる関係の作り方が身につかないこと。数をこなすことと、一人の人と深く信頼を築くことは、まったく別の技術です。前者をいくら重ねても、後者は自動的には育ちません。
もうひとつは、「経験がない自分はダメだ」という前提を抱えたまま恋愛を始めると、その前提を証明する関係を選んでしまいやすいことです。自分に自信がない状態で出会った相手には、どうしても遠慮が生まれます。相手に合わせすぎて、本当の自分を出せないまま終わる。そしてまた「やっぱり自分はうまくできない」と確認して終わる——この繰り返しになってしまう方を、たくさん見てきました。
「〜してから〜しよう」という考え方を手放すこと。これが、実はいちばんの近道です。婚活を始める資格を得るために恋愛をする必要はありません。
経験の少なさは、婚活ではむしろ有利に働くことがあります
これは意外に思われるかもしれませんが、恋愛経験が少ない方のほうが、結果が早く出ることは珍しくありません。実際、私が関わってきた方の中でも、それまでお付き合いした人は1人だけ、という方が幸せな結婚をされているケースはたくさんあります。
「こじらせ」を経ていないという強み
恋愛経験を重ねる過程で、多くの女性が何かしらの傷を負います。追いかけても振り向いてもらえなかった経験、都合よく扱われた経験、別れ際に否定された経験。それらは知識や余裕をもたらす一方で、「私は愛されない」という思い込みも一緒に残していきます。
この思い込みが厄介なのは、次の恋愛にそのまま持ち込まれることです。優しくしてくれる人を信じられなかったり、逆に少し冷たい人にばかり惹かれたり。同じパターンから抜け出せない方の多くは、経験が足りないのではなく、過去の経験が作った思い込みに縛られています。
経験が少ない方は、その意味で身軽です。まっさらな状態から、自分に合う関係の作り方を学んでいける。これは決して小さな利点ではありません。
結婚相談所という場が向いている理由
もうひとつ、実務的な話をします。恋愛経験が少ない方にとって、駆け引きの必要がない場は大きな助けになります。
マッチングアプリや自然な出会いでは、相手が結婚を考えているのか、遊びのつもりなのかを自分で見極めなければなりません。この見極めに、経験の差が最も出ます。一方、結婚相談所は独身証明書の提出が前提で、全員が結婚を目的に活動しています。見極めに使うエネルギーを、相手を知ることに回せるのは、経験の少ない方ほど恩恵が大きい部分です。
私が著書で繰り返し書いてきたこと
私はこれまで、翻訳版を含めて5冊の本を書いてきました。テーマは少しずつ違いますが、どの本でも必ず触れているのが「恋愛のうまさは、経験の量では決まらない」ということです。
恋愛がうまくいく人といかない人を分けているのは、テクニックでも場数でもありません。自分のことを、自分がどれだけわかってあげられているか。ここに尽きます。相手に合わせて自分を消してしまう人は、何度恋愛をしても同じところでつまずきます。逆に、自分の心地よさや違和感を言葉にできる人は、最初の一度でも、ちゃんと幸せな関係を築いていかれます。

経験が少ない方が、最初にやるといい3つのこと
では、具体的に何から始めればいいのか。順番にお伝えします。

1. 自分の好きなもの・苦手なものを言葉にする
恋愛の話である必要はありません。休日の過ごし方、心地よい人との距離感、一緒にいて疲れる話し方。日常の中で「これは好き」「これは苦手」を拾い集めていくと、相手を選ぶときの基準が自然と立ち上がってきます。婚活の結果を分けるのは、この言語化ができているかどうかだと私は考えています。
2. 「経験がないから」を理由にしない
お見合いや初対面の場で、経験の少なさを先に打ち明ける必要はありません。「うまく話せなかったらどうしよう」と思うと、つい予防線として口にしたくなりますが、それは相手にとって判断材料になりません。むしろ、緊張していることを素直に伝えるほうが、ずっと好意的に受け取られます。
3. 安心して相談できる相手を、一人持つ
経験が少ないと、「これって普通なの?」という小さな疑問が次々に出てきます。連絡の頻度、デートの誘い方、断り方。ひとつひとつは些細でも、抱えたままだと不安が膨らみます。友人でも、カウンセラーでも、仲人でも構いません。その都度たずねられる相手がいるかどうかで、婚活の進み方は大きく変わります。
住まいの面で気後れしている方は、実家暮らしは婚活で不利?|未婚女性の7割が親と同居している現実もあわせてお読みください。
よくある質問
Q1. 恋愛経験がないまま結婚相談所に入会しても大丈夫ですか?
問題ありません。第16回出生動向基本調査では、18〜34歳の未婚女性のうち恋人として交際した経験がある人は64.8%で、およそ3人に1人は交際経験がない計算になります。決して珍しい状況ではありませんし、結婚相談所は結婚を目的とした人だけが登録している場のため、駆け引きの見極めに経験を使う必要がありません。
Q2. 経験が少ないことを、お相手に伝えるべきですか?
ご自身から先に打ち明ける必要はありません。交際が進み、相手との距離が縮まった段階で自然に話せばじゅうぶんです。初対面の場で予防線として伝えると、かえって自信のなさが前面に出てしまいます。緊張しているとお伝えするほうが、素直な印象として受け取られます。
Q3. まず恋愛経験を積んでから婚活すべきでしょうか?
その順番はおすすめしていません。数をこなすことと、一人の相手と信頼を築くことは別の技術だからです。また「経験がない自分はダメだ」という前提を抱えたまま恋愛を始めると、その前提を裏づける関係を選んでしまいやすくなります。婚活を始めるのに、事前の経験は必要ありません。
Q4. 恋愛経験が少ないと、男性から敬遠されませんか?
敬遠されることはほとんどありません。むしろ男性側が気にするのは、経験の有無より「自分に関心を持ってくれているか」です。過去の交際歴を細かく聞かれる場面も、結婚相談所ではまず起こりません。
Q5. 何から始めればいいかわかりません。
まず、恋愛とは関係のないところで「好きなこと」「苦手なこと」を言葉にしてみてください。休日の過ごし方や、心地よい人との距離感で構いません。相手を選ぶ基準は、この積み重ねから生まれます。そのうえで、小さな疑問をその都度相談できる相手を一人持てると、活動が進めやすくなります。
まとめ:経験の少なさは、始めない理由になりません
恋愛経験が少ないことは、婚活において不利になりません。18〜34歳の未婚女性で交際経験がある人は64.8%、現在恋人がいる人は27.8%。あなたが「自分だけ」と感じてきたことは、データの上では標準的な状況です。
そして、経験を重ねてこなかったということは、恋愛の痛みが作る思い込みも背負っていないということです。まっさらな状態から、自分に合う関係を築いていける。それは遅れではなく、身軽さです。
大切なのは、経験の数を増やすことではなく、自分のことを自分がわかってあげること。ここから始めれば、最初の一度でじゅうぶん幸せな結婚に届きます。
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